弁護士の専門性

内科医、外科医、泌尿器科医など、医師が「○○科」と名乗るのは、かなり一般的です。一方、弁護士が明確に専門領域を掲げることは、医師ほど一般的ではありません。

医師も弁護士も、国家資格としては一種類です。「専門医」という制度もありますが、専門医でなくても○○科医という看板を掲げるのは自由です。

「先生、こういった類の事件は、ご専門でしょうか?」と聞かれることが、たまにあります。なかなか難しい質問です。医師でいうところの「名医」という趣旨でおっしゃっているならば、軽々に「専門です」とはいえません。

一方、いまや世の中の弁護士の半分以上は、私よりも後輩にあたります。市民を依頼者とする事件なら、少なくとも事件処理数は平均値を超えているはずです。刑事事件の処理数は、おそらく上から数えて10%くらいには入ると思います。交通事故、相続あたりも、かなりこなしている印象です。

弁護士に依頼する機会というのは、そうそうありません。病院で治療を受ける機会よりも、ずっと少ないはずです。「名医」のような弁護士に依頼したいと思うのも当然でしょう。

実際、そういう「名医」のような弁護士もいらっしゃいます。ただし、そういう弁護士さんは、費用が高かったり、お弟子さんが事件を処理したりすることも多いはずです。いかに名医といっても、自分自身でこなせる事件数には限度がありますから。

もちろん、「名医」のような弁護士になるのは一つの目標です。しかし、とりあえずは標準的な費用で、標準以上の法律サービスを提供していきたいと思います。

余談ですが、「無免許医師」のような弁護士がいるとすれば、現代社会では「ヤクザ」がそれにあたるのだろうと思います。ブラックジャックのように凄腕かどうかはわかりませんが…。

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