自力救済の禁止と遺失物法

自分の土地に他人の物(たとえば鉄骨資材)が放置されている、
誰が置いたのかわからないが、何とかしてほしい、
という相談を受けたことがあります。

勝手に撤去しちゃえばいいじゃない。
弁護士じゃなければコンマ3秒でこう答えるところです。

でも、実は「勝手に撤去」という行為は、
「自力救済」として禁止されているのです。
そういう場合は裁判を起こしなさい、
というのが法律の建前なんですね。

しかし、裁判というのは時間も手間もお金もかかります。
なにより相手がわからなければ、裁判のやりようがありません。
こんなとき、弁護士として、どんな助言をすべきか迷うわけです。

相手を探して、裁判を起こしなさいという助言もありえます。
リスクを説明したうえで、自力救済に踏み切るかを相談者に委ねるという助言もありえるでしょう。

ここで、私は新たな法律構成を指摘したいと思います。
実は「遺失物法」という法律がありまして、
「他人の置き去った物」も対象物件となります(2条)
そして、対象物件の発見者は、物件を警察署長に、「提出しなければならない」とされているのです(4条)。

法律上の義務なんだからしょうがないですよね。
3か月たったら所有権を取得することができます(民法240条)。
警察署長に押し付けることも可能です(遺失物法37条)。

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