著作物と認められた建築物の取り扱い

質問

風景の一部として建築物が映り込んでいる写真を公告に使用するすることや、絵に描いたり、ロゴデザインにしたりすることは、著作権法に違反しますか?
特に、著作権法30条の2との関係を教えてください。

第三十条の二 写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴つて複製することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 前項の規定により複製された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

回答

”絵に描いたりロゴデザイン”する行為は、「写真の撮影、録音又は録画」(著作権法30条の2)にはあたりません。30条は、撮影等の対象物から分離困難な著作物の映り込みを認める規定です。絵にかいたり、ロゴデザインする場合には、通常は主たる対象物から分離することが可能(書かないことが可能)なので、同条の適用はないのです。

しかし、建築の著作物については、著作権法46条の適用があります。したがって、原則として、その利用は著作権の侵害とはなりません

第四十六条 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

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