転職時の顧客情報持出と営業秘密

質問

転職する際、個人客のリストと法人客の連絡先を持ち出してしましました。法人客については、転職先でも付き合いを継続して欲しいといわれていたため、後日、コンタクトをとりました。個人客リストについては、前職では社用の携帯電話が支給されていなかったため、法人客の連絡先が残ってしまっていただけで、転職後はコンタクトをとっていません。

1.連絡先の持ち出し行為は、何か罪に問われますか?
2.訴えられた場合、どのような対応を取るべきでしょうか?

回答

法人客の情報が営業秘密に該当する場合には、不正競争防止法違反に当たる可能性はあります。
しかし、営業秘密に該当するといえるには、いくつか要件があります。

例えば、秘密として、他の情報とは区別して管理されている必要があります。
法人客の連絡先というのは、通常は営業秘密には当たらないでしょう。
あなたが名刺で管理している情報ですから、秘密として管理されている情報には当たりません。

個人客のリストは、通常は秘密として管理されるべき情報ですね。
しかし、質問文を拝見する限り、秘密として管理されていなかったように思えます。

営業秘密には当たらないと思いますが、一方で、個人情報にあたるのは確実です。
あなたを雇っていた会社は、個人情報保護法違反の責任に問われる可能性があります。
相談者から責任の追求があった場合に、相談者に損害賠償を行い、賠償分をあなたに求償してくるという流れが考えられます。ただ、質問を拝見する限りでは、あなたからコンタクトを取っていないということなので、相談者から損害賠償請求が来ないように思います。

訴えられた場合の対応は、あなたが目指す着地点によります。
一円も払いたくないのであれば、争うことになります。
営業秘密の持ち出しとして訴えられた場合には、営業秘密に該当しないという争い方になるでしょう。

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