訪問リフォーム工事の闇①(ビジネスモデル)

はじめに

本稿では、訪問リフォーム工事のビジネスモデルについて説明しています。
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ビジネスモデルの概要① 電話、チラシ、個別訪問

訪問リフォームとは、消費者の自宅を訪問して、リフォーム等の工事請負契約を締結するビジネスモデルをいいます。事業者数の推移自体はわかりませんが、ここ数年、相談で耳にすることが多くなりました。消費者、事業者、両方からの相談が増えた印象です。

訪問リフォームというビジネスモデルは、顧客獲得の方法として、なかなか有効のようです。特定の工事分野において、特定地域の8割~9割のシェアを占めるような業者も珍しくはありません。また、訪問リフォーム工事のビジネスを始めたばかり、或いはこれから新規に参入したいといった事業者も多く目にします。とても利益率が高いビジネスモデルなのでしょう。

消費者へのアクセスは、電話、チラシのポスティング(郵便受けへの配布)、戸別訪問が主流です。最近は電話帳に番号を掲載しないご家庭も多いですが、年配のご家庭の多くは掲載しています。お年寄りをターゲットにしているので、正しいアクセス方法といえます。

ポスティングは、対象地域を細かく指定できるのがメリットです。そして、訪問リフォーム業者の工事対象地域は広範囲におよびます。従業員数名で複数の都道府県をカバーしていることも珍しくありません。企業の規模の割に広すぎると思われることもしばしばです。

ビジネスモデルの概要② 段階的に大きくなる契約

後でも述べますが、訪問リフォーム業者が最初に実施する工事は、数千円程度のことが多い。一件で遠くまで出張していては、人件費で赤字が出てしまいます。そこで、「〇月〇日の工事なら3000円」などとチラシに記載して、多くの工事を同じ日に実施することができるようにしているのです。

しかし、問題はここからです。訪問リフォーム業者は、数千円の工事を行っても利益が出ません。一日に何件も同じ地域で工事をやっても、一件数千円ではたかが知れています。数千円の工事は、撒き餌にすぎません。顧客の懐に入るためのきっかけなのです。

訪問リフォーム業者は、数千円の工事が終わった後、あるいは工事のための下見の後に、ほかにも修繕が必要な個所が見つかったので修理したほうがよいといってきます。工事規模は数万円から十数万円のことが多い。訪問リフォーム業者にとっては、これからが本番ということになります。

なお、本番の契約を締結するにあたり、どのようなセールストークを展開するかは、会社の方針や担当者の技量にもよって変わってきます。ときに行き過ぎたセールストークがあり、特商法上の問題が生じたり、会社が刑事処分を受けたりする場合があります。

よくあるのは、「みんなやってる」などのセールストークです。このくらいいいだろうとも思えますが、NGトークとして政令でリストアップされています。NGのお墨付きがあるので、警察も消費者庁も自信を持って動いてきます。業者の側としては、まさにNGワードであり、この言葉が録音等で立証されれば「勝負あり」です。このNGワードで、顧問先がガサ入れ(捜索・差押のこと)を食らったことがあります。

さらに、一回目の工事で、業者は軒下とか配管とか、普段は見えない部分まで見るチャンスがあります。そこで、シロアリがいるとか、配管が割れているとか、不安をあおるのもよくある手口です。本当に配管が割れているのか、実際に確認する消費者はほとんどいません。見てもわからないので、そもそも見ないという人が圧倒的です。

消費者から見れば、こんなに安く工事をやってくれるようないい人たちがいうことだから、本当だろう。十数万くらいなら出せないこともないので、良い機会なので追加の工事もやってもらおうということになりがちです。それが業者の狙いです。

二回目の契約は、顧客の懐具合を図るための契約です。簡単に契約に応じてもらえるようなら、二回目の工事の後に三回目の契約を持ちかけてくる可能性大です。今度は、数十万から100万円を超える契約となる可能性があります。もしかしたら、四回目の工事を持ちかけてくる業者もいるかもしれません。

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