退職後の競業避止義務

質問

勤めている会社を退職して、同業他社への就職や同業種の事業展開を検討しています。会社に属していた時に培った人脈を活用したり、同じ分野の商品開発をしたり、商品の資源の提供者との関係を新事業でも継続することで利益を上げたいと思っています。最近分かったのですが、私の会社では、退職前に「競業避止義務の誓約書」の作成を求められるそうです。
(1)退職後、競業避止義務違反として、損害賠償を請求される可能性はありますか。
(2)誓約書への署名を拒否できますか。拒否した場合に、退職金を支給しないなどの処分を受ける可能性がありますか。

回答

(質問1)入社時の契約、就業規則、退職時の誓約書、いずれにも競業避止義務に関する記載がないのであれば、競業避止義務違反に基づく損害賠償は認められないと思います。

(質問2)誓約書の署名拒否も可能です。署名を拒否されたからと言って、会社側が所定の退職金を支給しないことも、認められません。拒否した場合には、あなたの方から退職金の支給を求めて、提訴することも可能です。

結局、契約に基づく競業避止義務は、契約しない限りは発生しません。あり得るとすると、契約ではなく、法律に基づく義務違反に対する損害賠償でしょう。

例えば、あなたが利用する会社の情報が、営業秘密として管理されているような場合には、不正競争防止法違反として、損害賠償請求を受ける可能性はあると思います。

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