下請法の基礎知識②

下請法の強行法規性

 下請法は、強行法規とされており、当事者の同意によって適用が排除されることはありません。
 親事業者の優越的地位に鑑みると、事実上、下請事業者は同意を強制される場合が多いといえます。同意を得ていても許されないというところに、下請法の意味があるのです。

下請法の規制内容①

 下請法が禁止している行為の第一は、「買いたたき」です。
 親事業者が「通常の対価」よりも著しく低い額を「不当に定める」場合が、「買いたたき」にあたります。従前の下請価格を親事業者が一方的に値引きすることなどが、典型例です。
 その他、対価自体は従前どおりでも、実質的に著しく低い額を不当に定めた場合には「買いたたき」にあたります。例えば、親事業者が下請事業者に対して、ISOの品質マネジメントシステム構築にかかる認証の取得を要請し、当該要請に応じない場合には、取引を停止する旨を通知する場合などです。認証取得には、多額の費用を要することが明らかであり、実質的には不当な値上げとなっているからです。

下請法の規制内容②

 下請法が禁止している行為の第二は、下請代金の減額です。「買いたたき」が、発注時点で生じる違反行為であるのに対して、下請代金の減額は、発注後に生じる違反行為です。
 例えば、親事業者が、「協賛金」などの名目で、下請事業者から金銭を徴収する場合なども、下請代金の減額にあたります。

下請法の規制内容③

 その他、下請法は、親事業者による下請代金の支払い遅延、成果物の受領拒否、不当返品などを禁止しています。
 また、これらの規制を担保するため、発注内容を書面にして交付することを求めています。

タイトルとURLをコピーしました