ネット上の名誉毀損-不当な請求への対抗策③

不平等な特約条項

ネット上の名誉毀損①-被害者による発信者情報開示
ネット上の名誉毀損②-被害者弁護士からの損害賠償請求

ある条項とは、加害者が他にも名誉毀損的な投稿を行っていたことが判明した場合には、1件に付き100万円を支払って欲しいというものです。被害者側弁護士の真の狙いは、この条項を滑り込ませることにあったと思われます。

この条項を入れることにより、被害者が加害者の投稿を新たに発見したときに、1件につき100万円の請求が可能となります。これは「契約」なので、前述したような慰謝料の相場は問題となりません。どんな投稿であれ1件100万円であり、金額の相当性を争うことは基本的にできないわけです。

しかし、5chにおいて、自分の過去の投稿を検索することは基本的にできません。加害者にとっては、他に名誉毀損的な投稿をしていないということを約束はできないわけです。一方、被害者側の弁護士は、そのような投稿を既に把握していた可能性さえあります。

極めて不平等な条項と言ってよいでしょう。加害者側の弁護士として、上記のような特約条項を設けることには断固反対しました。その結果、交渉は打ち切られて、裁判に移行することになりました。

裁判の結果

裁判では、慰謝料及び弁護士費用あわせて、約100万円の判決がくだされました。ほぼ、加害者側の主張通りと言って良い結果です。もちろん、判決には、上記のような特別条項はついていません。

ところで、被害者側が主張するように、加害者が他にも名誉毀損的投稿を行っていた場合、どうなるでしょうか?その場合、前の判決も踏まえて、慰謝料、弁護士費用が計算されて、判決がくだされることになります。つまり、同種の誹謗中傷が、同時期に行われていたような場合には、極めて低額の慰謝料だけが認められることになります。ゼロと判断した判決もあります。

まとめ

インターネット上のSNS等は、誰でも書き込めて、書き込み内容が多くの人の目に触れることが特徴です。名誉毀損的な投稿が散見されるのも事実です。

しかし、仮に名誉毀損的な投稿があったとしても、妥当な解決というものがあります。加害者側としては、最低限の法的知識を身につけて、必要があれば専門家の支援を仰ぎつつ、不当な請求から身を守っていただきたいと思います。
(終わり)
ネット上の名誉毀損①-被害者による発信者情報開示
ネット上の名誉毀損②-被害者弁護士からの損害賠償請求

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